日本全国の桜はじつは1本の樹のクローンだった!…今日は「さくらの日」

3月 27, 2021
Category: お知らせ

“サイエンス365days” は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

日本全国のさくらは「クローン」だった!?

今日、3月27日は「さくらの日」という記念日です。公益財団法人日本さくらの会によって1992年に制定されました。

桜といえば、春の短い時期に満開の花を一斉に咲かせてぱっと散る、まさに日本の春を象徴する植物です。皆様が思い浮かべるであろう桜は、エドヒガンとオオシマザクラの2種を交配させて生まれた「ソメイヨシノ」という品種で、日本の桜の8割を占めると言われます。気象庁が毎年発表する桜前線も、このソメイヨシノが対象となっています。

1995年に発表された遺伝子解析の結果、全国のソメイヨシノは全く同じ遺伝子を持つ「クローン個体」であるという事実がわかりました。江戸時代末期に誕生したソメイヨシノは接ぎ木によって全国に植えられ、多くの人々の目を楽しませてきました。

しかし、単一の遺伝子を持つということは遺伝的な多様性が少なく、たとえば1種類の病気ですべての個体が死滅することも考えられます。また、ソメイヨシノは自分自身で子孫を残すことができず、人間の手を借りないと繁殖できないという意味でも脆弱な品種だといえます。

実は、上記のような理由で全国のソメイヨシノに深刻な問題が起きているのです。桜の世界には「てんぐ巣病」という、カビの一種が原因で起こり、花が咲かなくなったり幹が腐ってしまう病気があります。ソメイヨシノはこの病気にとてもかかりやすく、新たなソメイヨシノを植えることはさらなる病気の拡大につながってしまいます。

そのため最近はソメイヨシノに代わり、ジンダイアケボノやコマツオトメといった別の品種への植え替えが進んでいます。遠い未来、日本の春の風景はまた違ったものになっているかもしれません。

Photo by Getty Images

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